概要
2024年4月19日、アメリカ ニューヨーク大学で行われた「動物の意識の新たな科学」に関する会議で、多くの学者が、すべての脊椎動物と多くの無脊椎動物が意識的な経験をしている証拠があるとする宣言、「動物の意識に関するニューヨーク宣言(The New York Declaration on Animal Consciousness)」を行ないました。
これは、2012年のケンブリッジ宣言を拡張するものです。
宣言者には、ピーター・ゴッドフリー=スミス(Peter Godfrey-Smith)、土谷尚嗣、ジョナサン・バルコム(Jonathan Balcombe)、スティーブン・R・L・クラーク(Stephen R. L. Clark)、バーバラ・J・キング(Barbara J. King)、ロリ・マリーノ(Lori Marino)、トーマス・メッツィンガー(Thomas Metzinger)がおり、2024/5/24時点で286名です。
ただし、さまざまな科学者から批判も寄せられています。一例を以下に示します。
- 署名者の中に動物に苦痛を与える可能性がある実験を行なっている科学者がいること
- 推奨されている人間の倫理的義務が脆弱であること
- すでに知られている知見であること
- 意識的な経験をしている動物の利用に関して、具体的で進歩的な提言がないこと
『動物の意識に関するニューヨーク宣言』
原文:The New York Declaration on Animal Consciousness
以下は仮訳です。修正していただける方は、本ページ最下部の「フィードバック」からご連絡ください。
どのような動物が意識的な経験をする能力を持つのか? 多くの不確定要素が残っているものの、いくつかの点では広汎な合意が得られている。
第一に、哺乳類と鳥類が、意識的な経験をしていることについて、強力な科学的裏付けがある。
第二に、すべての脊椎動物(爬虫類、両生類、魚類を含む)と多くの無脊椎動物(少なくとも頭足類の軟体動物、十脚類の甲殻類、昆虫を含む)については、少なくとも意識的な経験が現実的に可能であることを、経験的証拠は示している。
第三に、ある動物が意識的な経験をしている現実的な可能性がある場合、その動物に影響を与える決定をする際、その可能性を無視することは無責任である。
私たちは福祉上のリスクを考慮し、そのリスクへの対応を提示するために証拠を用いるべきである。
(*太字は訳者による。)
この宣言の個々の著者および署名者は、機関や組織を代表してではなく、個人の立場で署名しています。
(署名者リストが宣言の後に記載されています。)
《参照》
Wikipedia. Animal consciousness.
Bill Lynn. New York Declaration on Animal Consciousness. PAN. 2024/4/24. https://panworks.medium.com/new-york-declaration-on-animal-consciousness-9bd373db2101.
Evaluating the NY Declaration on Animal Consciousness. PAN. 2024/5/6. https://panworks.medium.com/evaluating-the-ny-declaration-on-animal-consciousness-c0465593f235.
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